千葉市美術館 収蔵品検索システム

拡大
前の画像   次の画像
志道軒

奥村 政信
オクムラ マサノブ

志道軒

分 類:版画
制作年:延享〜寛延期(1744~51)
技 法:幅広柱絵判墨摺筆彩
寸 法:64.3x15.3㎝

 この異様な顔つきの老いた男は実在の人物で、「古戦物語 講師 志道軒」の木札が掲げられているように、志道軒(1680?~1765)という当時知られた講釈師であった。浅草観音堂脇や三社権現前の仮設の高座で軍記物など古典物語を語って人気であったようで、当時の浮世絵にしばしば題材となっているが、図のように手には木製の陽物(男根)を持って講釈したという奇人であった。上部には「熟柿は達磨の形や尻くされ」とユーモラスな句が記される。机の上に開かれた本には『徒然草』第60段で、作法も気にかけず芋ばかり食べているという天才肌の僧都の話の一節「真乗院に盛親僧都とてやんことなきちしや(智者)有けり いもかしらといふものをこのみておほくくひけり たんき(談義)の座にてもおきなるはちにうつたかくもりて ひざもとに置てくひながらふみをもよみけり」が書かれている。