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二代目市川団十郎の虎退治

鳥居 清倍
トリイ キヨマス

二代目市川団十郎の虎退治

分 類:版画
制作年:正徳3年(1713)
技 法:大々判丹絵
寸 法:54.3x33.0㎝

 虎を足で抱えて押さえつけ、口元に手を入れて組みひしぐという、二代目市川団十郎の豪快な荒事の演技の姿で、瓢箪足蚯蚓描の画法と、墨摺に丹を用いた彩色により、素朴ながらも力強い魅力を放っている。
 浅野秀剛氏は、虎を組みひしぐという演出は、元禄13年(1700)3月刊の評判記『役者談合衝』の市川団十郎評に、「以前よりあらごとのかいさん、或は金平、朝比奈、焚噌などになられ、大盃で、軍半に、酒を呑ふだり、門を破り、虎を引さくたぐひよく」と記されることを指摘されている。また清倍が最も精力的に制作したのが正徳期(1711~16)であることを勘案し、この図が正徳3年(1713)正月山村座「石山源太鬼門破」における二代目市川団十郎の石山源太荒王を描いた作品であろうと考証している。また評判記『役者座振舞』の団十郎評に「山中殿虎のつな切ではなす時、くみ付下口を引はなしたるすさまじさ」とあり、挿絵にも、団十郎の源太が虎の口を裂かんとする図が描かれていること、東京都立中央図書館加賀文庫に収められる『団扇絵墨摺板鑑』のうちの1図にも「大あたり」と記され、「石山源太」と題された団扇絵があることを確認している。
 グスタフ・クリムトが内装を手がけたことで知られるストックレー邸で知られるベルギーの銀行家アドルフ・ストックレー(1871~1949)の旧蔵品である。