1954年三重県四日市市生まれ。1975年BゼミSchooling Systemu に入学し、柏原えつとむに師事。1977年から東京や横浜の画廊などで個展やグループ展を積極的に開催する。1978年から友人と近代日本美術史の研究会を行う。1988年より「無限連鎖する絵画」の制作に着手。1990年没。1992年「諏訪直樹展―絵画という旅」(有楽町アート・フォーラム)。2001年「没後十一年 諏訪直樹展」(三重県立美術館)。

現代美術の分野では1960年代末に「絵を描くこと」が過去のものとされていたが、諏訪が美術を学びはじめた70年代に入るとふたたび従来からの絵画という形式に関心がむかうようになった。これは生前の諏訪が記しているように、「手を動かすこと」からはじまり、自分たちの描く場所を確認するために美術史の研究にまで及んだ。本作品はそのスタイルから日本の伝統的な絵画との関連が連想されやすいが、その根底には過去から現在にいたる作り手にとって普遍的な「「描く」とは何か」という問いがあった。