所蔵作品
作家名
東洲斎 写楽
とうしゅうさい しゃらく
TOSHUSAI Sharaku
[1701-?]
作品名
三代目大谷鬼次の江戸兵衛
さんだいめおおたにおにじのえどべえ
Actor Ôtani Oniji Ⅲ as Edobei
技法/材質
大判錦絵
寸法
35.4×24.0cm
制作年
寛政6年(1794)
受入年度/種別
平成16年度/購入
分類
浮世絵版画/近世版画
所蔵品番号
2043001
 寛政6年5月より1年足らずの期間のみ役者絵等の錦絵を手掛けた東洲斎写楽を、近年では阿波藩蜂須賀家お抱えの能役者、斎藤十郎兵衛(1763-1820)とみなす説が有力視されている。
 本図は東洲斎写楽のデビュー作にして代表作のシリーズのうちの1図。大判サイズの雲母摺という上製の錦絵をほぼ同時に28図も手掛けたことは、新人の絵師としては異例の扱いであり、版元蔦屋重三郎の意欲的な試みか、有力なパトロンの力が想定される。しかし大田南畝が「これまた歌舞伎役者の似顔をうつせしが、あまりに真を画かんとしてあらぬさまにかきなせしかば、長く世に行われず、一両年にして止む」(『浮世絵類考』)と書き残しているように、個性的で誇張された表現は、役者ファン購買欲を獲得できずに浮世絵出版界から姿を消したらしい。
 寛政6年5月5日から江戸の河原崎座で上演された「恋女房染分手綱」に取材した作品で、四条河原において、鷲塚八平次に頼まれ、市川男女蔵扮する奴一平を襲い、公金を奪う悪役が江戸兵衛である。同じシリーズに一平の図もあり、構図から、この2図は連続して鑑賞するように制作されたと考えられる。 (『千葉市美術館 所蔵作品100選』 2015年)
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