




作家名 |
鳥文斎 栄之
ちょうぶんさい えいし
CHOBUNSAI Eishi
[1756-1829]
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作品名 |
吉野丸舟遊び
よしのまるふなあそび
A Party on the Pleasure Boat Yoshinomaru
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技法/材質 |
大判錦絵 5枚続
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寸法 |
(右から)37.8×26.2cm/37.6×26.2cm/37.7×25.7cm/37.7×26.5cm/37.7×26.2cm
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制作年 |
天明(1781~1789)末期頃
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受入年度/種別 |
平成03年度/購入
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分類 |
浮世絵版画/近世版画
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所蔵品番号 |
2913119
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鳥文斎栄之は、家禄500万石取りの旗本の嫡男で、浮世絵師としては異色の出自である。御用絵師の狩野栄川院典信に画を学び、その後天明-寛政期(1781-1801)にかけて、浮世絵師として美人画を多く手掛け、同時期に活躍した喜多川歌麿に拮抗する存在となった。寛政後期頃よりは、肉筆画に専念している。
「吉野」の額を掲げ、船首に花台を飾る豪華な屋形船を、5枚続の長大な画面に描く見応えのある錦絵である。三味線、太鼓、鼓に合わせて春駒を舞う芸者達を呼んでの華やかな船上の宴はたけなわである。女だけで描かれているのは現実的ではなく、華やかな美人画として成立させたもので、本来の中心である男性客は、高坏の上の菓子を囲む女たちに置き換えられているのであろう。小船を寄せて来た猿回しも、美化された若衆姿で描かれている。背景は隅田川で、向かって左の方には、隅田川東岸を代表する名所である三囲神社の鳥居が見えている。 (『千葉市美術館 所蔵作品100選』 2015年)
「吉野」の額を掲げ、船首に花台を飾る豪華な屋形船を、5枚続の長大な画面に描く見応えのある錦絵である。三味線、太鼓、鼓に合わせて春駒を舞う芸者達を呼んでの華やかな船上の宴はたけなわである。女だけで描かれているのは現実的ではなく、華やかな美人画として成立させたもので、本来の中心である男性客は、高坏の上の菓子を囲む女たちに置き換えられているのであろう。小船を寄せて来た猿回しも、美化された若衆姿で描かれている。背景は隅田川で、向かって左の方には、隅田川東岸を代表する名所である三囲神社の鳥居が見えている。 (『千葉市美術館 所蔵作品100選』 2015年)