千葉市美術館30周年
所蔵作品
作家名
歌川 広重
うたがわ ひろしげ
UTAGAWA Hiroshige
[1797-1858]
作品名
東海道五拾三次之内 庄野 白雨
とうかいどうごじゅうさんつぎのうち しょうの はくう
Shower in Shono, from the series Fifty-three Post Stations of the Tokaido
技法/材質
横大判錦絵
寸法
24.6×37.5cm
制作年
天保7年(1836)頃
受入年度/種別
平成03年度/購入
分類
浮世絵版画/近世版画
所蔵品番号
2913121
 庄野は、伊勢国(現、三重県)鈴鹿郡の鈴鹿山脈にかかる坂道の険しい場所で、日本橋より数えて46番目の小さな宿場町であった。「白雨」という副題にあるように、突然山里に降りしきる強い風雨に抵抗し、あるいは屈するようにして坂道を急ぐ人々を描いている。雨、人、坂道、竹林、人家の屋根の斜め方向の線と人の動きが快く呼応しており、計算し尽くされた理知的な構成である。道の手前に現れる竹群からかすむように見える竹林まで、変化を出しながら遠近を描き分け、ぼかし摺を多用して奥行きを出した手法も優れている。坂を下る男の傘には、「竹のうち」「五十三次」の文字が入り、版元保永堂の竹内孫八を示している。
 広重コレクター・研究家として名高いジョン・スチュアート・ハッパー(1863~1936)の旧蔵品である。 (『千葉市美術館 所蔵作品100選』 2015年)
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