企画展

江戸の異国趣味 -南蘋風大流行-

2001年11月30日[火] – 12月9日[日]

会期

2001年10月30日[火] – 12月9日[日]

※この展覧会は終了しました

休室日

毎週月曜日(休祝日の場合は翌平日)

11月23日[金]は祝日のため18:00閉館

観覧料

一般1000円(800円) 大学生・高校生700円(560円)  中・小学生300円(240円)

※( )内は団体30名以上、または前売の料金

主催
千葉市、千葉市美術館
共催
財団法人 自治総合センター

18世紀江戸絵画に吹き込んだ新しい風

享保16年(1731)、長崎に一人の中国人画家がやってきました。彼の名は沈南蘋しんなんぴん (1682~1760~?)。彼の画風は本国の中国ではやや時代遅れになりつつありましたが、その精 緻な描写と濃密で華麗な彩色により、当時の日本絵画に非常に大きな影響を与えました。直弟子 熊斐ゆうひ(1712~1772)を経て長崎から上方へ、そして江戸へと南蘋の画風は広まりました。 折からの博物学の流行もあって写実的な描写が喜ばれたのです。

その影響は「長崎派」と称される、南蘋風を専らにした画家に限りません。奇想の画家として 近年注目を集めている伊藤若冲いとうじゃくちゅう(1716~1800)も南蘋風を通過して自らの画風 を築きました。写実的でかつ装飾的な画風によって近代日本画の源流となった円山応挙まるやま おうきょも若い時期南蘋の画風に学びました。日本における銅版画の祖、司馬江漢しばこうかんも俳 人・文人画家として知られる与謝蕪村よさぶそんも一時的には南蘋風の絵を描きました。洋風画の さきがけである秋田蘭画も強く南蘋風の影響を受けています。松平定信まつだいらさだのぶ・増山 雪斎ましやませっさいといった大名たちも南蘋風の作品を描きました。秋田蘭画の主要画家の一人、 佐竹曙山さたけしょざんも大名です。

南蘋風の作品が多く残っているということはそれだけ支持されたということです。一番身近な 「異国」である中国の雰囲気を伝える沈南蘋の画風。ときにはもう一つの異国オランダへの興味 関心とも接近します。本展覧会は沈南蘋の画風が江戸時代の絵画にもたらしたものを総点数137 点で検証する試みです。

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