雪村展 -戦国時代のスーパー・エキセントリック-
2002年1月26日[土] – 3月3日[日]
会期
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2002年1月26日[土] – 3月3日[日] ※この展覧会は終了しました |
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休室日
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毎週月曜日(休祝日の場合は翌平日) |
観覧料
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一般800円(640円) 大学生・高校生560円(450円) 中・小学生240円(200円) ※( )内は団体30名以上、または前売の料金 |
主催
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千葉市美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
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協力
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日本航空
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企画監修
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山下裕二(明治学院大学教授)
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企画協力
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(株)浅野研究所
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雪村(せっそん)という画家の名前を聞いて、その絵をすぐにイメージできる人が、どれぐらいいるでしょうか。もちろん、日本美術史の専門家や、古美術に詳しい人なら、いくつかの絵が思い浮かぶでしょう。おぼろげな人物像も、ご存じかもしれません。
では、はっきり言っておきます。この展覧会は、雪村の「せ」の字もご存じない人たちこそ、見てもらいたい。ともかく、400年以上前に、こんな面白い絵を描いて、それがたくさん伝えられているんだから、まず見てみませんか−−− そんな気持ちで、企画しました。もちろん、よくご存じの方にも見てもらいたいのですが…。
雪村は、16世紀、京都を遠く離れた東国に住んでいました。生没年すらわかりませんが、1500年ごろに生まれて、茨城、福島を中心に、各地を転々としたようです。世はまさに戦国時代。80余歳まで長生きして、織田信長と同じころに亡くなったと思われます。
同時代の画家に比べて、雪村の絵は驚異的にたくさん残っています。現在、200点近くもあるでしょうか。京都の画家の絵は、その多くが戦乱で焼けてしまいました。雪村は田舎に住んで、名もない人々に与えたものも多かったので、こんなに残ったかもしれません。この展覧会には、そのうち130点ほど集めました。美術館や博物館からお借りした、すでに定評のあるもの。熱心な個人所蔵家からお借りした、未公開のもの。さらに、アメリカの美術館に収蔵されているいくつかの大作も、久々に里帰りします。4会場を巡回する展覧会なので、各会場ごとに、展示の内容も、コンセプトも変わります。どうぞお楽しみに。
風の中に立ちつくす仙人や羅漢の姿には、雪村の生き方が投影されているでしょう。めまいがするような山水の景観には、雪村の頭の中のビジョンが映し込まれているでしょう。 好んで描いた野菜や果物は、きっと食べたに違いない…。私はそんなふうに考えていますが、どうぞ、展覧会で絵そのものと対面して、みなさん、勝手にこの画家のことをイメージしてください。面白いと思いますよ。
(本展監修者・明治学院大学教授 山下裕二) 。