企画展
所蔵作品展

棟方・富本・リーチ ―近代日本の版画を中心に

2011年8月9日[火] – 10月2日[日]

棟方志功《釈迦十大弟子二菩薩》(部分) 1939年 千葉市美術館蔵
会期

2011年8月9日[火] – 10月2日[日]

※この展覧会は終了しました

休室日

9月5日[月]

観覧料

一般200円(160円) 大学生150円(120円) 小・中学生、高校生無料

※( )内は団体30名様以上

※ 千葉市内在住60 歳以上、千葉県在住の65歳以上の方、小・中学生、高校生、および障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料

※ 同時開催「浅川伯教・巧兄弟の心と眼」入場者は無料

主催
千葉市美術館

「浅川伯教・巧兄弟の心と眼―朝鮮時代の美―」展の開催に合わせ、当館の所蔵作品のなかから、棟方志功(1903-75)をはじめ、浅川伯教(1884-1964)と巧(1891-1931)兄弟と関わりのあった二人の陶芸家、富本憲吉(1886-1963)とバーナード・リーチ(1887-1979)の版画作品を中心にご紹介します。
 富本は陶芸の道に進む1910年代前半に東京美術学校以来交流があった南薫造(1883-1949)と共に、「自刻自摺」を基本とする近代日本の創作版画運動に重要な役割を果たしました。そしてリーチは元来銅版画家であり、来日時には銅版画の教授によって生計を立てようとしていました。
 日本のやきものは、近世のはじめから高度な分業化が進み、幕末には日本を代表する産業として経済を支えていました。分業化は浮世絵版画にも見られます。一枚の版画には絵師のほか、彫師や摺師、そしてプロデューサーである版元などの意向が働いていたのです。「創作陶磁」と「創作版画」に携わった若いアーティストたちは、「産業化」の進んだ技術を、改めて作り手である「個人」の意志を伝達する手段と位置付けたのでした。
 このような「手工業」から「『手』の仕事」への回帰は、柳宗悦(1889-1961)が提唱した「民藝」の思想と共振します。その舞台のひとつが、1920年代後半から30年代にかけての国画会(国展)ですが、棟方は同会に参加することによって柳や河井と出会い、自らの芸境を大きく花開かせました。

  今回は、棟方、富本、リーチの他に平塚運一(1895-1997)や河合卯之助(1889-1969)の版画作品、そして浅川兄弟たちと関わりのあった陶磁愛好家や研究者たちの資料を展示します。ささやかながら、本展が浅川兄弟の活動とその時代について理解する一助となればさいわいです。

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