企画展
オーバリン大学 アレン・メモリアル美術館所蔵

メアリー・エインズワース浮世絵コレクション-初期浮世絵から北斎・広重まで

2019年4月13日[土]- 5月26日[日]

会期

2019年4月13日[土]- 5月26日[日]

※この展覧会は終了しました

休館日

5月7日[火]

観覧料

一般1200円(960円)7000円(560円)小・中学生、高校生、障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料

☆オープニング記念割引 4月13日(土)の初日は観覧料が半額になります。

※( )内は前売り、団体20名以上、市内在住65歳以上の方の料金

※前売券は千葉市美術館ミュージアムショップ(3月31日まで)、ローソンチケット(Lコード:33375)、セブンイレブン(セブンチケット)

主催
千葉市美術館、日本経済新聞社
協力
日本航空、高久国際奨学財団
企画協力
マンゴスティン

アメリカ・オハイオ州オーバリン大学のアレン・メモリアル美術館には、アメリカ人女性メアリー・エインズワース(1867-1950)が、この母校に寄贈した1500点以上の浮世絵版画が所蔵されています。明治39年(1906)、エインズワースの来日を契機に始まったこのコレクションでは、珍しい初期の作品から、鳥居清長(1752-1815)や喜多川歌麿(?-1806)など錦絵が興隆をみた黄金期の作品、葛飾北斎(1760-1849)、歌川広重(1797-1858)の活躍による幕末の風景画に至るまで、浮世絵の歴史をほぼ網羅することができます。
よく知られた人気のある作品ばかりでなく、希少な作品も多く、また保存状態も良好で、浮世絵版画の魅力を余す所なく伝える美しいコレクションですが、これまでアメリカにおいてさえ大規模な展覧会は行われたことがありませんでした。
本展覧会は、現地調査を踏まえ、メアリー・エインズワース浮世絵コレクションから珠玉の200点を選りすぐり紹介する、初めての里帰り展です。美しい浮世絵で満たされたエインズワースの玉手箱を初めて開くこの展覧会を、是非ご堪能ください。

第1章 浮世絵の黎明 墨摺絵からの展開

延宝8年(1680)頃、「浮世絵師」や「浮世絵」という言葉が現れ、一枚摺(いちまいずり)の墨摺絵(すみずりえ)が多く普及し始めます。まもなく色彩が求められるようになりますが、それから60-70年ほどの間は、1枚1枚筆で彩色を行っていました。 この章では、現存数が少なく、大変貴重な初期浮世絵版画を展示します。

奥村政信 《羽根突きをする美人》 大々判墨摺絵 宝永-正徳期(1704-16)

奥村政信 《羽根突きをする美人》 大々判墨摺絵 宝永-正徳期(1704-16)

石川豊信《 傘と提灯を持つ佐野川市松》  幅広柱絵判紅絵 寛延期(1748-51)

石川豊信《 傘と提灯を持つ佐野川市松》 幅広柱絵判紅絵 寛延期(1748-51)

 

 

第2章 色彩を求めて 紅摺絵から錦絵の時代へ

寛保・延享期(1741-48)になると、版による彩色が始まり、墨の輪郭線に、紅と緑を中心に2,3 色を摺る素朴な紅摺絵(べにずりえ)が登場します。やがて明和期(1764-72)には、趣味人たちの摺すりもの物制作がきっ かけとなって、より高度な多色摺(たしょくずり)木版画技法、すなわち錦絵が誕生します。
2章では、紅摺絵の名品と錦絵創始期の第一人者鈴木春信(1725?-70)の作品を中心に紹介します。

石川豊信 《佐野川市松と瀬川菊之丞の相合傘》  大判紅摺絵 宝暦期(1751-64

石川豊信 《佐野川市松と瀬川菊之丞の相合傘》 大判紅摺絵 宝暦期(1751-64

鈴木春信 《縁先美人(見立無間の鐘)》  中判錦絵 明和4年(1767)頃

鈴木春信 《縁先美人(見立無間の鐘)》 中判錦絵 明和4年(1767)頃

 

第3章 錦絵の興隆 黄金期の華 清長から歌麿へ

錦絵出版界が活発化する中で、天明期(1781-89)には、長身の伸びやかな美人を描いてスター絵師となったのが、鳥居清長(とりいきよなが1752-1815)です。さらに次世代の喜多川歌麿(きたがわうたまろ?-1806)や東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく1763?-1820?)の大首絵も出版されました。
錦絵が華やかに展開し、多くのスター絵師が輩出した黄金期の作品をご堪能ください。

喜多川歌麿《婦人相学十躰 面白キ相》  大判錦絵 寛政4-5年(1792-93)頃

喜多川歌麿《婦人相学十躰 面白キ相》  大判錦絵 寛政4-5年(1792-93)頃

東洲斎写楽《 二代目小佐川常世の一平姉おさん》 大判錦絵 寛政6年(1794)

東洲斎写楽《 二代目小佐川常世の一平姉おさん》 大判錦絵 寛政6年(1794)

歌川国政《 岩井粂三郎の禿たより》  大判錦絵 寛政8年(1796)

歌川国政《 岩井粂三郎の禿たより》  大判錦絵 寛政8年(1796)

第4章 風景画時代の到来 北斎と国芳

天保(1830-44)初期には、葛飾北斎(かつしかほくさい 1760-1849)の「冨嶽三十六景」(ふがくさんじゅうろっけい)シリーズの出版により、浮世絵における風景画が確固たる存在感を示します。
一方で、近年人気の高まる、歌川国芳(うたがわくによし 1797-1861)も同じ時期に独創的な風景画を出したことで注目されます。
4章では、北斎と国芳という2人の天才絵師による個性的な風景画を中心に、浮世絵における風景画確立時のインパクトを追体験します。

葛飾北斎《 冨嶽三十六景 凱風快晴》  大判錦絵 天保2-4年(1831-33)頃

葛飾北斎《 冨嶽三十六景 凱風快晴》  大判錦絵 天保2-4年(1831-33)頃

歌川国芳《 東都名所 するがだひ》 大判錦絵 天保3-4年(1832 -33)頃

歌川国芳《 東都名所 するがだひ》 大判錦絵 天保3-4年(1832 -33)頃

第5章 エインズワースの愛した広重

エインズワース浮世絵コレクションの過半を占めるのが、歌川広重(うたがわひろしげ 1797-1858)の作品です。天保5年(1834)頃に発表された出世作の『東海道五十三次之内』(とうかいどうごじゅうさんつぎのうち)(保永堂版)を代表格として、晩年、安政4-5年(1857-58)の『名所江戸百景』(めいしょえどひゃっけい)のシリーズに至るまで、広重の名品が網羅されています。
エインズワースが愛した広重風景版画のハイライトを厳選し、展示します。

歌川広重《 名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣》  大判錦絵 安政4年(1857)11月

歌川広重《 名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣》 大判錦絵 安政4年(1857)11月

歌川広重《名所江戸百景 亀戸梅屋舗》 大判錦絵 安政4年(1857

歌川広重《名所江戸百景 亀戸梅屋舗》 大判錦絵 安政4年(1857

歌川広重《 名所江戸百景 両国花火》  大判錦絵 安政5年(1858)

歌川広重《 名所江戸百景 両国花火》 大判錦絵 安政5年(1858)

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