企画展
「生誕100年 清水九兵衞/六兵衞」展さや堂ホール関連展示|後期

インクルーシブ・サイト ―陶表現の現在

2022年5月27日[金] – 7月3日[日]

参加作家

藤原彩人、北林加奈子、桑名紗衣子、土屋裕介

会期

2022年5月27日[金] – 7月3日[日]

休館日

6月6日[月]

観覧料

無料

主催

千葉市美術館

企画協力
藤原彩人
会場

1階さや堂ホール

彫刻と空間の関係を重視した清水九兵衞(19222006)が、作品のタイトルに繰り返し使用した「アフィニティ」。「親和」を意味するこの言葉は、現代においてどのような意義を持ちうるのでしょうか。陶を主な表現手段とし、千葉県をはじめ関東圏で活躍する現代アーティスト4名による「インクルーシブ・サイト―陶表現の現在」展は、清水が彫刻家として問い続けた問題を引き継ぎ、その可能性を検証することを目的に企画されました。

千葉市美術館の1階に位置するさや堂ホールは、1927(昭和2)年に川崎銀行千葉支店として建てられ、現在は市の有形文化財に指定されています。建築家の大谷幸夫(19242013)は、美術館の建設にあたり、この歴史的建造物を美術館の中核に内蔵する「鞘堂方式」を採用しました。このことから美術館の歩みだけでなく、さや堂ホールは千葉市という都市が重ねた歴史を建物の内部に留めています。

本展では、そのような入れ子状の場であるさや堂ホールを会場に、彫刻家の藤原彩人を企画協力者に迎え、清水の造形思考と空間への新たな解釈を試みます。彫刻と陶芸の境界領域で、比類のない造形を生み出す藤原、陶の素材と技法を通じ、記憶上の場所や記憶の在り方を具象化する桑名紗衣子、断片としての人物像を配置し、空間をつなぎ合わせる土屋裕介、陶に糸や木といった異素材を組み合わせ、かたちの普遍性を探る北林加奈子。4名のアーティストによる作品は、土から造形される彫刻が、外部の環境と決して切り離すことができない事実を私たちに気づかせ、多様な陶表現の現在のありようを指し示すことでしょう。

 

 

 

プロフィール
藤原彩人 ふじわら・あやと

1975年京都府生まれ栃木県出身。2003年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。2007年から08年まで文化庁新進芸術家海外研修員としてロンドンに滞在。近年の主な個展に「軸と周囲―姿としての釣り合い―」(gallery 21yo-j、東京、2021年)、「像化―雨の行方―」(同、2019年)など。2021年「土祭2021」アート部門ディレクター。

https://ayatofujiwara.jimdofree.com

 

北林加奈子 きたばやし・かなこ

1990年東京都生まれ。2016年多摩美術大学美術学部工芸科卒業。2018年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。近年の主な個展に「感応と交信」(MARUEIDO JAPAN、東京、2020年)、「urn:骨壺」(DiEGO表参道、東京、2019年)、「クリテリオム94 北林加奈子」(水戸芸術館 現代美術ギャラリー、茨城、2018年)など。

Photo: Shu Yamamoto

https://www.kanakokitabayashi.com

 

桑名紗衣子 くわな・さえこ

1982年千葉県生まれ。2008年武蔵野美術大学修士課程美術専攻彫刻コース修了。近年の主な展覧会に「でんちゅうストラット―つながる彫刻」(小平市平櫛田中彫刻美術館、東京、2021年)、「ところざわ アートの潮流」(所沢市民文化センター・ミューズ、埼玉、2020年)。2021年に東京都中央区桜川敬老館等複合施設(桜川保育園)エントランスにアートワーク設置。

Photo: Earl Ross

 

土屋裕介 つちや・ゆうすけ

1985年千葉県生まれ。2011年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。近年の主な個展に「arium」(gallery Kasper、神奈川、2021年)、「Mirror」(公津の杜コミュニティセンター、ギャラリー海、千葉・Gallery KIDO Press、東京、2019年)。宮内優里「Beta」(アートワーク、2022年)、映画「悪の教典」(監督:三池崇史、2012年公開)作品提供。

https://www.yusuketsuchiya.com

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