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富士川上流雪中

歌川 広重
ウタガワヒロシゲ

富士川上流雪中

分 類:版画
制作年:天保13年(1842)頃
技 法:大判錦絵 上下2枚続
寸 法:(上)36.3×23.6cm (下)36.3×23.5cm

 深遠とした富士川上流の雪景色を描く作品で、大判を竪に2枚続けた縦長の画面を生かした構成で、山々を谷沿いに高々と描いて山中の冬の厳しさを強調している。広重得意の抑制された色感で、繊細なぼかし摺によって重厚で高逸な味わいが演出されている。水流に用いられた透明感のある藍色が、殊に美しく映えている。
 富士川を2艘の小舟が下ってゆき、その上に架かる頼りなげな橋には、荷を運ぶ人の姿がある。大自然の中の人間の小さな営みが、一層寂寞とした情趣を感じさせる名品である。
 広重は天保12年に甲州を旅しており、同様の体裁を持つ「甲陽猿橋之図」と共に、その時の体験に基づいて制作されたのではないかと目されている。