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初代市川鰕十郎の唐犬重兵衛

春好斎 北洲
シュンコウサイ ホクシュウ

初代市川鰕十郎の唐犬重兵衛

分 類:版画
制作年:文政3~5年(1820~22)頃
技 法:大判錦絵
寸 法:37.6x25.5㎝

 松好斎門人と推定されている北洲は、300枚を優に超す大判の役者絵を残し、上方絵における文政期を代表する絵師。流光斎・松好斎の様式を受け継ぎ、役者の映える姿を誇張する江戸趣味を加味して、上方役者絵を完成に導いた絵師として高く評価されている。大判の役者絵を描き始めるのは文化9年からであり、この年以降、上方役者絵は大判の時代を迎える。文政元年、上方に旅した北斎に師事、名を春好斎北洲と改め、「よしのやま」の印を用いている。文政前、中期が北洲の最盛期であり、その頃に制作された大首絵はとりわけ優れている。
 本図は、文化13年(1816)閏8月、角の芝居「紅紫大坂潤」に取材した鰕十郎の町奴唐犬重兵衛であるが、制作・刊行は文政期に入ってからと推定される。北洲には、文政前期の狂歌や狂句入りの役者大首絵が6点知られており、そのうちこの図を含む3図には版元印がないので、非売品の摺物であった可能性もある。右上の役者名が「市川」のみであるのも不審。狂歌は、「佐保姫もなひきやすらん蓬莱のゑひは立派な春の花かた 宝来山人」。右上の役名と役者名及び絵師の印のない後摺品もある。